新規就農事例

廿日市市

正木 彬さん(32歳)

平成29年3月就農

取材
平成29年6月6日

中山間地域 廿日市市玖島 若者で賑わう地域をつくる

○広島の大学で微生物学を学び、大学院修了後、外食産業や食品工場の衛生管理評価、指導など食品衛生に関わる仕事に就いて7年が経過した頃、田舎(旧佐伯町)に帰省した際、地元に若者がいない、田畑が荒れている現状を見て、活気を取り戻すために自分に何かできることはないか考えました。
○仕事の関係上、食の安全安心の重要性を感じており、その頃たまたま見たテレビ番組で若い人が農業で生き生きと生活している姿を見て農業の可能性を感じ,ビジネスチャンスがあると思いました。ただ、Uターンの第一の目的は地元の活性化であり、生活の糧を得る方法は第二でした。
○そんな折、廿日市市とJA佐伯中央が共同で実施し、農家出身でない自分でも農地を持ち農業経営ができる就農研修のことを知り、前述した目的を達成するため農業で生きていくことを決意しました。

○1年間の研修を経て、平成29年3月からビニールハウス25aで小松菜の周年出荷を目指して経営をスタートさせました。今後,土づくりに力を入れ,ほうれん草や水菜なども導入したいと考えています。また、将来は経営面積を拡大する予定です。
○特徴とまでは言えないかもしれませんが、市場からの要望に応え「棚持ちの良いもの」を作りたいです。そのために土づくりや水管理の技術習得に努めたいと考えています。
○良いものを作ることが、結局省力化・低コスト化に結びつき、収益性を向上させるのだと思います。良い循環をつくりたいです。

○就農の動機の欄でも書きましたが、農業で故郷の活気を取り戻すことが目標です。農業に限らず、若い人が地元に帰ってきて生活できるということの先鞭になれればと思います。そのためにも就業の場は必要です。
○自分が就農するに当たり、研修を受け、土地の確保やリースハウスも準備していただき、その他にも様々な支援を頂きました。これらすべてに税金が使われていることを胸に刻み、後に続く人たちのためにもしっかり儲けて納税し、恩返ししたいです。

○平成28年度新規農業経営者育成事業(廿日市市・JA佐伯中央) ; 2年間の研修受講(2年目は自らのハウスで実践研修)、農地斡旋、リースハウス導入
○H28年度JAグル―プ広島新規就農者育成・支援事業 ; 営農基礎講座で農業の基礎的知識・技術習得
○H28年度JAグループ農業所得増大・地域活性化応援プログラム ; 研修経費助成、就農時の機械施設導入支援
○青年就農給付金(準備型・経営開始型)受給

○農業には色々なことがあります。むしろ苦しいことの方が沢山ある業界です。でも諦めず、粘り強く自分の考えを貫くことです。収穫物を手にした時の喜びを糧にして継続することが大切と思います。
○農業は、自分一人では出来ることには限界があります。先輩や経験者の話を聞きそれを取り入れる、沢山の仲間を見つけ、そのつながりを大事にすること。そのためにはコミュニケーション能力が必要ですから、農業を目指す人はしっかり準備してください。

就農者の写真1 就農者の写真2