新規就農事例

広島市安佐北区

西坂 和真さん(36歳)

平成25年9月就農

取材
平成29年7月6日
協力
JA広島市

先端技術を取り入れ、農業の自動化を実現!

大阪市で調理師をしていましたが、長年父親がやってきた農業に憧れを持っていました。調理師時代では、自分の目で高品質な農産物を仕入れて、お客様が「美味しい」と言っていただける料理を日々提供することにやりがいを感じていましたが、農業も自分が丹精込めて育てたものを多くの方々に提供できます。調理とは違った「食」の提供に魅力を感じ、一次産業の世界に飛び込みました。

品目はトマトで、24aのハウスで水耕栽培を行っています。農業は休日がないことが気がかりで、365日働くことをいとわない父とは対照的に、私自身は家族と過ごしたり、趣味を楽しみたいと思っています。メリハリのある生活が送れるように、技術が定着してきた現在では、仕事の効率化を目指しています。「アグリネット」というクラウド型システムを導入し、スマートフォンを通してハウス内の温度管理をしています。具体的には時間設定によって冷気を遮る断熱用のカーテンを自動開閉できるシステムなので、状況に応じて設定を変え、トマトを効率よく色付けすることができます。

「アグリネット」の導入により、収益にも効果を発揮し、農園の売上は事業開始前に想定した1.5倍程度で推移しています。今後は、ハウスを40aまで広げ、現在の従業員6名(パートを含む)を2倍程度に増やすことも考えています。

就農して数年間は技術も不十分で収量も不安定です。それが結果として低所得を招き、農業を続けていくことが困難になります。そこで、国の「青年就農給付金」や「JAバンク新規就農応援事業」といった助成制度を活用させていただき、一定の所得を確保することができました。お陰様で現在では、給付金がなくても農業のみで生計を立てることができ、規模拡大を通して更なる経営発展を目指しています。

農業は時には勘や経験から得た熟練した技術が必要な時もありますが、やり方次第では、儲かる職業だと思います。行政やJAの就農制度を活用し、メーカーから提供いただく生産ノウハウを取り入れて、自分に合った生産サイクルを実現してください。そのためには、経験が必要です。研修や農業体験を通して大いに経験を積んでください。

就農者の写真1 就農者の写真2