新規就農事例

庄原市高野町

松木 健二さん(41歳)

平成28年4月就農

取材
平成29年6月2日

高野町産トマトの生産拡大とブランド力の向上を目指して奮闘中!

私は以前県内の米穀店に勤めていました。仕事の関係上、個人農家や農業法人の方々にお会いする機会が多く、お話をする中で、65歳以上の高齢化や後継者不足が深刻で数年の内には、農地の管理をするのが困難になる現状を聞いていました。私の実家や地域も例外ではなく身近な問題であると感じ就農することを決意しました。

現在、30.2aの経営面積で、トマトをハウス栽培しています。栽培方法は養液土耕システムを導入しています。養液土耕システムは、通常の土耕栽培に比べて、労働力を最低限に抑えつつ、長期栽培が可能です。また、連作障害が起きにくいのも特徴です。高野町は夏でも涼しい日が多いため、高温障害が少なく、安定した収量を確保することができます。農地は先代から受け継いでおり、水田もあるため米作りにも取り組んでいます。

販売については、JAを中心に市場出荷していますが、経営が安定してきたら将来は販路拡大を見込み、消費者や飲食店への直接販売も考えていきたいです。そのためには「ブランド力」のある農産物の生産が必要だと考えています。お客様にブランドとして認知してもらうには、味や安全へのこだわりだけではなく個性の強い農産物の生産が必要だと考えます。例えば、トマトであれば生食用の甘い物が多いようですが、あえて加熱調理に限定したトマトの生産と販売を考えています。さらにPRの場としてインターネットの活用や対面販売などの営業活動をしていきたいと思います。また、安定した収入を得るために、行く行くは新たにほうれん草の品目導入も行っていきたいと考えています。

就農を決意するにあたって何から始めて良いのか分からなかったため、知り合いのJA職員に相談したところ、「JAグループ広島新規就農者育成・支援事業」という研修制度があることを知りました。この研修はJAから紹介していただいた先輩農家の下で、現場実習を行い、そこで営農に必要となる技術や経営ノウハウを身に付けます。また、研修期間中は無収入であるため、国の青年就農給付金(準備型)を活用し、就農までの準備期間における生活費、営農資金の確保に役立てました。就農後にかかる設備投資については、庄原市、JAグループの各助成事業とJAの低利な融資を活用し、円滑に就農することができました。

農業は自分一人の力で、就農することは難しいと思います。JAや行政などの関係機関へ相談し、自ら積極的に情報収集を得る姿勢が大切です。必ずあなたの就農をサポートしてくれます。農業や田舎を取り巻く現状は非常に大変ではありますが、やる気ある人は是非チャレンジしてください。

就農者の写真1 就農者の写真2