新規就農事例

庄原市高野町

中山 啓太さん(34歳)

平成29年4月就農

取材
平成29年6月2日

学生、サラリーマン時代の経験を活かし、新たなる挑戦へ!!

私は幼少期より、家の庭で出来た作物が好きでいつか自分の手で作りたいと思っていました。大学進学でも農業関係の学部に進み、栽培や農業経営について学びました。後は大学で学んだ第6次産業を実施している園芸会社に入社し、土作り等の仕事をしていましたが、長男の小学校入学を控え、環境の良い妻の実家にある小学校に入学させたいと考え、高野へ帰郷することとなりました。それに際し、学生時代に前職で学んだことや幼少期からの想いを実現したいと思い、就農を決意しました。

現在、ハウス面積22aでトマト、露地面積55aで大根を栽培しています。1品目だけでなく、経営リスクを分散させるため、複合経営に取り組んでいます。トマトは養液土耕システムで栽培しています。農地は元々あった親族の農地を受け継いでいますが、農地中間管理機構の事業を活用しているため、制度の恩恵も受けることができました。そのように行政やJAの支援制度をしっかりと活用しながら、まずは研修期間中に先輩農家から教わった栽培技術を実践し、自分で立てた経営目標・数値を達成できるように取り組んでいます。

就農1年目ということで、まずは地に足を付けた経営を行っていきたいと考えています。農業はいくら緻密に計画を立てても、悪天候や作物の予期せぬ病気によって収量が確保できず、経営が傾く恐れがあります。そういった点では計画通りに進めていくのが一際難しい仕事であると言えます。これまで先輩農家から教わった管理方法や技術を十分に実践し、家族を守れるほどの収入を得ることができる経営をしていきたいと思います。そして、将来的には自分で生産した農産物を使って、学生時代や前職で学んだ6次産業化(加工品の製造等)へも取組み、多角経営を目指していきたいです。

身近なJA営農指導員を通してJAグループの研修制度に思い切って手を挙げてみました。これまで園芸会社で土づくりの経験はあったものの、一貫した栽培作業はあまり経験がなかったため、先輩農家から手取り足取り教えていただきました。就農後にかかる膨大な設備投資費用については、庄原市、JAグループの各助成事業やJAの営農支援資金(融資)を活用できたおかげで、資金難に陥ることなく、圃場の準備作業に集中して取り組むことができました。

まずは農地の確保と経営計画は早めに立てた方が良いと思います。農地を早めに確保することで、その農地の特徴(例:水はけが悪く、排水整備が必要な農地だった)を知ることができ、それを考慮して事業費を見積もることができます。また就農する地域の先輩農家と繋がりを持ち、話を聞くことも重要です。先輩農家がどんな栽培をしているのか等色々話を伺うことで、自分に合った栽培方法が見えてきます。またお互いが困ったときにも助け合える仲間がいるのは心強いことです。

就農者の写真1 就農者の写真2